 | VENTURE SPOT 2012年9月号 | 一覧に戻る | |
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サンタンジェロ |
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<イタリアン転向の裏にある挫折> |
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JR目黒駅から目黒通りを下った先のビルの3階にお店を構える、レストラン「サンタンジェ
ロ」。カウンター席の他にテーブル席が2つというひっそりとしたたたずまいのお店には、どこか隠
れ家的な雰囲気が漂う。オーナー兼店長の山口氏は、母親や兄弟が美容師を勤める家庭で育ち、自身
もぼんやりと美容師になるのだろうと考えていた中、母親の「3人も美容師はいらない」という言葉
から、親孝行という観点で別の道を模索する。様々な選択肢を見ながら最終的に行き着いたのは日本
料理の料理人だったという。とあるお店で、日本料理の修業をしながら料理人としてのキャリアを積
み上げるも、お店や修行の厳しさから挫折。当時の事を「若かったせいか修行の重要性をよく分かっ
ていなかった」と振り返る。21歳の時に現在のお店の先代オーナーに誘われ、その方に恩義を感じイ
タリアンの料理修行を1から始め、30歳の時にお店を譲り受け、8年の時を経て今に至る。
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<料理が美味しいだけではダメ、人柄で勝負> |
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一時期は6人の従業員を雇う時期もあったが、現在は山口氏1人でお店をきりもりする。最近は
「従業員を雇ってもあまり長続きしない」と語る山口氏、理由は料理人の厳しさとは別の所にあると
いう。このお店は、立地上の理由からお客様との距離が近い。そのことからお客様とのコミュニケー
ションに悩む若手料理人が多い事が大きな理由だ。「今の時代、料理が美味いだけではダメ。競合と
の差別化は人柄でしていかないといけない」と語る山口氏のお店には、年間200回の来店をしてくだ
さったお客様もいたのだとか。この事からも山口氏の柔らかい人柄が伺える。削減できる人件費を極
力食材に回して美味しい料理を提供し、先代オーナーから学んだ接客術と山口氏の人柄で、お客様へ
の還元を1番に考える経営というのが「サンタンジェロ」の1番の特徴と言えるのかもしれない。
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<キーワードは、更なるお客様貢献> |
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自分が作った料理に対する一口目の反応が見えるという、ある意味、料理人冥利に尽きる、同業者
もうらやむ様なお店を作り上げた山口氏は、今後のビジョンを“更なるお客様貢献”というキーワー
ドを元に考える。単なる店舗の拡大だけでお客様貢献を考えるのでなく、他店舗からの若手料理人の
受け入れ等を通じて大きな視点での貢献をしていきたいという。料理だけでなく雰囲気や会話を楽し
んで頂くことが、自分が出来る事であり、人生においての仕事であるという考えである山口氏の今後
の活躍に期待しつつ、読者の皆様も一度訪店し、山口氏の人柄に触れて頂きたい。
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会社名 :
店舗名 : サンタンジェロ
所在地 : 東京都目黒区下目黒1−5−20 コムトーヨービル3F
T E L : 03-5487-1283
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