 | VENTURE SPOT 2010年8月号 | 一覧に戻る | |
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LAB+CAFE |
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<コミュニティ形成の場として> |
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今回話を伺ったのは、ラボプロダクションの代表を務める杉本雅明氏(25)。本郷にあるLAB+CAFEの
経営にあたっているが、東京大学で地球惑星科学を研究する現役の大学院生でもある。カフェを出店
したきっかけは、学会で訪れたカリフォルニアで学生が集うカフェの雰囲気に衝撃を受けたこと。
「夜に勉強したり友人たちと集まる場所として、文化的なカフェという場があることに感動した」と
いう。
帰国後、自分達の周りでもそうした学生が集う場になるものを作りたいと友人達と語り合い、かね
てより研究を通じて交流のあった大手学生塾に話をしたところ、その企業のCSR活動の一環として、
開業資金をサポートしてもらえることとなった。
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<開業までの道のり> |
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こうしてプロジェクトがスタート。まず杉本氏は1ヶ月ほどの間、土地勘のある大学周辺をしらみ
つぶしに歩き回り、不動産屋訪問はもちろん、空き部屋を見けると近所の人に持ち主を聞いては目当
てとなる物件を探した。内装ではデザイン、ウィーンやオックスフォードなどこれまで訪れて感銘を
受けたカフェの写真などから1枚のコンセプトビジュアルを作成。それと内面図をホームページに掲
載して、デザイン案を募集した。プロジェクトサイトで告知しただけで、「知人を通じて、5通も応
募があればいいと思った」というコンペだが、蓋を開けると業界で名の知れた実力派を含め100通以
上の応募が殺到。「みなさんが非常に力を入れたものを送ってくださってありがたかった。学生のた
めの場というコンセプトが明快で、しかもかなり自由に発想できるということが、皆さんの心に響い
たようです」と話してくれた。
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<学生コミュニティ形成の場として> |
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こうした準備期間を経て、2008年にカフェをオープン。店内は勉強がしやすいカウンタースペース
と、大テーブルのあるスペースからなり、人が集う場としてハード・ソフト面とも様々な工夫が凝ら
されている。「マスター」と呼ばれる学生が有償で運営にあたり、利用は学生か学生が紹介した社会
人のみという会員制だ。
地域の飲食店とも連携し、パーティーの際には他店にケータリングを委託したり、大学の各種団体
とのコラボレーションも企画している。自身が大学院を卒業するまでに、こうした企画を進めて運営
基盤を固めたいと話してくれた。
杉本氏の活動から改めて思うことは、明快なコンセプトは取引先、スタッフ、お客様すべてが応援
してくれる元になるものであることだ。学生コミュニティ形成の場作りという点でも様々な取り組み
を行っているLAB+CAFEの活動に、今後も注目していきたい。
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会社名 : 社団法人ラボプロダクション
店舗名 : LAB+CAFE
所在地 : 東京都文京区本郷4-1-3明和本郷ビル7階
T E L : 非公開 H P : http://lab-cafe.net/
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