 | VENTURE SPOT 2010年7月号 | 一覧に戻る | |
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鶴一家・だんだん |
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<時代に合わせ変化する経営を> |
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横浜駅からほど近い鶴屋町のラーメン店「鶴一家」と立ち飲み屋「だんだん」は、一見すると隣り
同士にある普通の飲食店。しかし中に入ると、引き戸で区切られているのみで、実は1つの物件を使
った2業態店舗だということに気付く。このユニークな店を経営する有限会社アストの多田代表
(43)に話を伺った。
多田氏は大阪府出身。卒業と同時に就職したのは東京の機械メーカーという、飲食とは全く異なる
業界出身だ。30代でアメリカ駐在も経験するなど活躍し、充実した生活を送っていた。そんな多田氏
に転機が訪れたのは6年前。知人の依頼で、来日した外資系ネイルメーカー社長の通訳をつとめたこ
とだった。これをきっかけに、日本支社の代表にスカウトされ転職。支社の立ち上げから始まり、責
任者として日本での事業拡大に貢献。3年間の多忙なこの時代に開業資金を蓄え、かねてから興味が
あった飲食店経営をスタートしたのだ。
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<ジンギスカン店が人気に> |
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まずは1号店として、横浜に小さな羊専門店をオープン。ジンギスカンを中心に、羊のタンやホル
モンという珍しいメニューを提供、月に1度は解体ショーも行っていた。食材に大変こだわったこと
に加え、ジンギスカンブームの到来もあり、「小さい店だったので、お断りするのが毎日大変」とい
うほどの人気店となった。そのため、近隣により大きな物件を確保し2号店を出店。しかし、ジンギ
スカンブームが一段落したこと、さらにその後のリーマンショックに始まる不況のため、経営に苦心
するようになってしまった。そこで思い切ってこれまで経営していた2店舗を閉店。新たに業態開発
を行い、今年2月に横浜市内に新たに出店したのが、ラーメン店「鶴一家」と立ち飲み屋「だんだ
ん」だ。
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<時代に合わせた業態開発を> |
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業態開発では、不況下にも強い低価格帯をターゲットにラーメン業態を計画。しかしラーメン店に
適した小規模な物件は流通数が少ない。そこで一つの物件を間仕切りし、立ち飲み業態を合わせた業
態を開発した。2業態を合わせることで、より利用シーンを広げ、来店頻度も高めることができる。
メニューについては、ラーメンは横浜の“家系ラーメン”。「ラーメンに詳しい人ほど、食べると
その味わいに驚く」という、こだわりの材料と仕込みを行ったスープが特徴的だ。立ち飲みでは焼鳥
を中心に、味にこだわる客層も満足できるメニューを追及する。立ち飲みの締めとしてラーメンを利
用する客もいるという。現在はフランチャイズ加盟募集も開始、不況にも強い業態を広めていきたい
と話してくれた。
これからも新たな挑戦を続ける多田氏の活躍に注目したい。
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会社名 : 有限会社アスト
店舗名 : 鶴一家・だんだん
所在地 : 神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-7-34
T E L : 045-324-5568
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