 | VENTURE SPOT 2009年7月号 | 一覧に戻る | |
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シーフードレストラン香港 |
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株式会社QHP | 代表取締役:李頡(Li Jie) 氏 | |
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<プロとしての仕事を極め独立へ> |
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今回ご紹介するのは、大門で香港料理店を経営する株式会社QHPの李社長(37)。新鮮な魚介を使
ったヘルシーな料理が、ビジネス街の女性に人気の注目店だ。
中国・上海生まれの李氏は、高校卒業後に日本に留学。卒業して一度は中国に戻り就職するも、よ
り厳しい環境で自分の力を試したいと、2年後に再び日本へ。中国料理店を経営する会社を数社渡り
歩き、独立前には中華料理の老舗「中国飯店」で副支配人にまで昇格。料理とホスピタリティの最高
水準を求められる場所で腕を磨いた。
こうした経歴を見ると独立に向けて順調に進んできたように見える李社長だが、「日本で働き始めた
当初は、独立しようという気持ちなんて全然なかったんですよ。」と笑う。厳しい環境の中で、ただ
プロとして満足のいく仕事を極めたかっただけだという。独立しようと思うようになったのは、副支
配人として働くようになった頃から。店舗マネジメントの力をつけ、店のために実行したいことを
様々に考えるようになるにつれ、雇われている立場ではそのすべてを実行することができないことを
もどかしく思うようになった。そうして、一から自分の手で店を立ち上げたいという気持ちがふくら
んでいったという。
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<活シーフードを使った中華レストラン> |
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念願の独立を果たしたのは2008年4月。ビジネス街大門に、「シーフードレストラン香港」をオー
プンした。店の特徴は、海鮮素材のクオリティとリーズナブルさを徹底的に追求していること。中華
料理では産地との距離の問題で生の鮑やホタテを使うことはほとんどないが、せっかく日本で新鮮な
食材が入荷するからと、こうした素材を生かしたシーフードを看板メニューに据えた。「活き」にこ
だわって仕入れた海産物はすべて国内産で、同業の友人たちも驚く品質。厨房の大きな水槽では、採
れたての伊勢海老や鮑がひしめいている。厨房を任されているのは全員本場香港出身の料理人で、こ
の道25年の料理長を中心に最先端の料理を作り上げている。
こうした最高級食材を使いながら、ディナーコースが2,940円からというリーズナブルさを実現。そ
の一つの要因が、物件選びにある。良い料理を出せば、お客様はきっとついてきてくれるという信念
のもと、あえて駅近ではない物件を選び初期投資を抑えたのだ。
ターゲットは周辺で働くビジネスウーマン。口コミ力の強い女性にまずはランチで店を知ってもら
い、職場の仲間や友人を誘ってディナータイムにも来店してもらおうと計画。狙いは当たり、現在ラ
ンチの8割は女性が占める。中華料理店には珍しく、毎日ランチで来店する常連女性も少なくないと
いう。味付けも上品で使用する油も少なめ、素材もシーフードと野菜をたっぷり使い、女性の支持を
集めている。
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<Q・H・Pの実現に向けて> |
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オープン当初から多店舗展開を見据え、立地に合わせた雰囲気の姉妹店を増やしていきたいという
李社長。だが、「まずは一号店でしっかりと実績を重ねることが大切」と堅実な姿勢も忘れない。目
指す姿は「Quality, Hospitality, Price」から一文字ずつとった社名が表すとおり、上質な料理と
サービス、そして割安な価格を実現したレストランだ。「そのためにやるべきことは具体的に見えて
いるのです。後はそれをひとつひとつ、着実に実行するだけ」と話してくれた。こうした姿勢が、厳
しい経済環境の中で1年目を迎えながら、着実に成長している店に表れているのだろう。まっすぐな
夢と堅実な努力を怠らない李社長の挑戦を、これからも見守りたい。
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会社名 : 株式会社QHP
店舗名 : シーフードレストラン香港
所在地 : 東京都港区芝1-4-9 平和会館ビル2F
T E L : 03-3798-0555
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