 | VENTURE SPOT 2010年5月号 | 一覧に戻る | |
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横浜もつ鍋 ばう蔵 |
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有限会社タックル | 代表取締役:晝間(ひるま)喜一 氏 | |
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<オリジナリティある店作りを> |
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今回お話を伺ったのは、関内で「横浜もつ鍋 ばう蔵」を経営する、有限会社タックルの晝間(ひる
ま)代表。母方の実家は、東海道の宿場町、神奈川宿の料亭。坂本竜馬の妻、おりょうも働いていた
という老舗だ。元々は祖父母が店を経営しており、晝間氏は普通のサラリーマン家庭で育った。1993
年、新卒で広告代理店に就職。しかしその半年後、高齢となった祖父母から請われ、母とともに実家
の料亭に入ることを決断した。時代はバブル崩壊後、経済状況の悪化や接待需要の落ち込みで、老舗
とはいえ困難な状況だったという。そこでお金をかけずに、新しい需要を掘り起こすために晝間氏が
考え出したのが、小学生を料亭に招待することだった。総合学習の一環として小学生に神奈川宿の歴
史について調べてもらい、その発表の場として料亭の座敷を提供。さらに子ども達に宿場の文化に触
れてもらうため、昼のコースを無料でふるまった。この企画は多くのマスコミに取り上げられ、店の
名前とブランドが一般の人々に広まるきっかけとなった。さらにこの企画が招待された小学生の家
族・親戚にも評判を呼び、そこから店ひいきにしてくれる多くのファンが生まれたという。
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<オリジナリティある店作り> |
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こうして16年間、知恵を絞った様々な企画で店を盛り上げ、支えてきた晝間氏だったが、やがて自
分が一から店を立ち上げ、育てていきたいという希望を持つようになった。そこで34歳の時に独立、
関内で始めたのがこの「横浜もつ鍋 ばう蔵」だ。鰻鍋ともつ鍋が看板メニューのこの店、業態を選
んだ理由はとして「これからは専門店の時代だと思ったこと、そして他店が出していないメニューで
オリジナリティを出したかった」ことを挙げてくれた。仕入れは新店を出すにあたり、一からの開拓
となったが、契約農家から野菜を取り寄せ、モツ鍋には新鮮な和牛小腸を使うなどしっかりとした仕
入れを実現している。仕入れにあったて気をつけていることを氏に伺うと、「相手と敬語で話すこ
と」と笑う。インターネット注文もできる遠方の農家と時には電話でおしゃべりするなど、細やかな
コミュニケーションも忘れない。
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<幅広い年代に愛される店を> |
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シックな雰囲気の「横浜もつ鍋 ばう蔵」は、一見若い年代向けだが、大学生から六十代以上まで
幅広い年代に利用されている。今後目指すところとしてはまず、七十代前後の層を取り込んでいきた
いと話してくれた。人口の割合も多く、比較的時間に余裕があり、消費欲・食欲とも衰えていないこ
の年代は、飲食店にとっては魅力的ながらまだ十分に開拓できていない年代。そうした層にアピール
できるメニューやサービスなどを設計していきたいと話してくれた。様々なアイディアと日々の丁寧
な仕事の積み重ねで成長する「横浜もつ鍋 ばう蔵」。今後の展開にも期待したい。
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会社名 : 有限会社タックル
店舗名 : 横浜もつ鍋 ばう蔵
所在地 : 神奈川県横浜市中区南仲通3-35 横浜エクセレントVB1F
T E L : 045-663-0403 H P : http://www.bauzou.com/
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