 | VENTURE SPOT 2008年5月号 | 一覧に戻る | |
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シディークパレス 四谷麹町店 |
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株式会社シディークエンタープライゼズ | 代表取締役:ラムザン・シディーク 氏 | |
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<26歳でパキスタンから来日> |
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四谷の外れに1号店を開店してから、わずか10年あまりの間に20店舗以上の飲食チェーンを築
き上げたシディーク氏は、1995年、26歳のときにパキスタンから日本へとやって来た。学費
を稼ぐためアルバイトをしながら、渋谷の日本語学校に通い大学を目指す。2年後、千葉の大学に
入学するも、通学に時間がかかり、アルバイトを続けることができない。しかも、来日してから初
めて学んだ日本語では、大学の勉強を続けるほどの語学力を身につけることができなかった。そこ
で、シディーク氏はアルバイト時代の経験を活かし、飲食業での起業を志す。今は移転してしまっ
た新宿御苑の1号店を出店したのが11年前の97年。当初は赤字でスタッフに給料も払えず、妻
や兄弟と一緒に店を運営しながら、成功を夢見たのだった。
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<アルバイトで飲食業に目覚める> |
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「もともと外国が好きで、貿易の仕事がしたかったんです」
母国で日本製品は人気だったが、日本語のできる人は少ない。そこで、日本語を学ぼうと来日し
た。貿易会社でもアルバイトをしたが、勤務時間から学校と両立できない。学校に行きながらでき
るアルバイトはやはり飲食店などに限られていた。
シディーク氏の実家は不動産業などを営んでおり、親戚にも店舗経営をするものはいたが、それま
で飲食業に関わりはなかった。そもそも母国では、飲食店がお客様から「ありがとう」と言われる
ことはない。日本の店で働き、そうした日本の習慣を知ってアルバイトが楽しくなった。1号店で
苦戦しているときも、助けてくれたのは常連のお客だ。当時たくさんの知人を紹介してくれたお客
とは、今も友人として付き合いがある。
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<将来は母国に日本料理店を> |
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1号店が赤字の時、母国の父親に相談すると「半年は頑張れ」と言われ、深夜にアルバイトをして
従業員の給料を支払った。
「成功の秘訣? 常に何かやっていることですね」とシディーク氏は語る。「何もせずに放ってお
くと、必ず売上が下がります」
「シディークパレス」と名付けた四谷麹町店も、もとはスポーツダイニングだったが、放映のある
日とない日の差が大きく、ベリーダンスのショーが毎日見られるレストランに転換した。本国から
取り寄せた備品を活かして内装も自ら手がける。人間と仕事が大好きな経営者は「寂しがり屋なん
ですよ」と明るく笑った。
現在では、母国の大使館からも頼りにされているシディーク氏。夢は、パキスタンで本物の日本料
理店を開くことだ。
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会社名 : 株式会社シディークエンタープライゼズ
店舗名 : シディークパレス 四谷麹町店
所在地 : 千代田区麹町5-3 第七秋山ビル B1
T E L : 03-3264-2101 H P : http://www.siddique.co.jp
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