 | VENTURE SPOT 2011年3月号 | 一覧に戻る | |
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魚串然(ぜん) |
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<26歳で引き継いだお店> |
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昨年から次第に広がり始め、注目されるようになった「魚串」業態。今回は、西新橋で10年近く前
から魚串を提供している、「魚串然」の酒井社長に話を伺った。
酒井氏は現在32歳。大学卒業後、鮮魚卸売と直営飲食店4店舗を経営する株式会社北の旬に入社し
た。実は研修終了後に配属されたのは、直営飲食店ではなく、新潟に事務所のあった卸売部門。そこ
で1年半、先輩について早朝から市場に出かけ、仕入れ、配送、加工の手配など幅広い業務を経験。
このときの経験が、現在の鮮魚目利きのもととなっている。やがて当時の経営者が、直営店1店舗ご
とに独立採算制とするという決定を下し、酒井氏は「半ば強引に」新潟から戻され、社長として魚串
然の経営にあたることとなった。若干26歳のときのことである。
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<魚を食べ尽くすための魚串> |
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魚串は、「然」のオープン当初から扱っている看板メニュー。誕生のきっかけは、当時の担当者
が、刺身で出るロスをうまく活用できないかと試行錯誤して出たアイディアだったという。ただロス
を活用できる一方で、鶏肉とは異なり材料となる鮮魚の原価コントロールが難しい。そのため、酒井
氏の仕入れの腕を生かし、毎日市場から仕入れる日替わりの魚を中心に、串メニューを組み立てるな
どの工夫をしている。仕入れ先も当初は新潟の市場直送がメインだったが、現在では産地を限らず上
質なものを仕入れられるよう、築地での仕入れをメインにしているという。
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<店舗リニューアルと地道な努力> |
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2007年には、隣接店が退去したことをきっかけに店舗を拡張、これまでのおよそ2倍の広さに建て
直した。リニューアルでメインとなったカウンター席は、炉端焼きも間近で楽しめる人気席となり、
個室の掘りごたつ席は接待に使われることも多い。また、入り口には外から見える鮮魚ディスプレイ
ボックスを設置し、通行客に店をアピールしている。
主要顧客となる近隣のビジネス客向けには、差し入れやお中元・お歳暮を持参するなどの、地道な
活動も欠かさない。「お客様にどうしたら喜んでいただけるか」を常に考え、休日も気になる店巡り
に余念がない。社員のためにも、今後店をますます盛り上げていきたいと話してくれた。聞けば聞く
ほど、その話から静かな情熱が伝わってくる酒井氏。これからも、その地道な努力と情熱が、多くの
人に愛される店作りのもととなっていくことだろう。
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会社名 : 株式会社北の旬・然
店舗名 : 魚串然(ぜん)
所在地 : 東京都港区西新橋3-17-1 ライオンズマンション1F
T E L : 03-5733-6355 H P : http://uogushi-zen.com/
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