 | VENTURE SPOT 2011年12月号 | 一覧に戻る | |
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焼肉ホルモン「モリちゃん」御茶ノ水店 |
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株式会社 OEC (オーイーシー) | 代表取締役:長谷川 秀人 氏 | |
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<飲食事業に進出した父の会社> |
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長谷川氏が小学3年生の時、父が建設機器のリース・販売業を営む会社を創業。経済成長の波に乗
り、140名の社員を抱える大所帯となる。大学から一般企業に就職した長谷川氏だったが、25歳で父
の会社に転職する。バブル期に、父の会社も事業拡大を積極的に行っており、「つくば市に確保した
土地の眺めが良かったことから、飲食をやろうとい話になり、それで私が引き戻されたわけです」。
父からすれば、そろそろ息子に譲るための準備を始めたかったのかもしれない。1年3ヵ月後にようや
くオープンさせたお店は、120坪、137席、大手食品メーカーが開発した「飲茶」のフランチャイズ店
舗だった。
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<バブル崩壊で父の会社が倒産、借金を一身に背負うことに> |
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「10日で7キロ痩せた」という長谷川氏。1989年にオープンしたこのお店は、4日間で420万円を売
り上げたというほど忙しかった。アルコールのないお店ながら、かなりのハイスコアである。社員は
3名。残りはアルバイトと建機部門からの応援で店舗を切り盛りし、後に2号店も出店している。しか
し、バブルが崩壊。長谷川氏が指揮していた飲食部門はともかく、主要事業が大きく傾く。1993年、
負債総額50億円弱で倒産。会社は債権者で埋め尽くされた。父とも母とも連絡がつかなくなり、長谷
川氏は、社長の息子ということで対応に追われる。「また10キロ痩せた」と笑いを誘うが、それほど
強烈な状況だったのだろう。3日間、駆けずりまわって金策に走る。「幸いに、スジの悪いところか
ら借金がなかったので救われました」という長谷川氏は、当時30歳。どうにも出来なかった7億5000
万円の負債と共に飲食部門を引き継いだ。
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<結果的として事業放棄。東京で修行した後、モリちゃん創業へ> |
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しかし、想像以上に負債は大きなものだった。幸いにも、2つの飲食店は好調だったため、フラン
チャイザーに返すことができた。一定のメドをつけた長谷川氏は生まれ育った千葉を離れ、一人東京
へ向かう。東京に出ると、あちこちを渡り歩く中で、飲食店の開業支援などを行う会社の経営者と出
会う。「直営店舗部があってその部長として迎えていただき、飲食事業に関してはすべて任せてもら
えたのです」。これが大きな転機となった。多くの経験を積み、2004年独立。1号店を出店したの
ち、順調な成長を続けている。店名は「モリちゃん」。実は社員の名前らしい。社名の「OEC」に
ついても伺ってみた。「『OEC』、つまり『おいしい』です」という答えが返ってきた。長谷川氏
の人生同様、味のある会社になっていくはずである。
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会社名 : 株式会社 OEC (オーイーシー)
店舗名 : 焼肉ホルモン「モリちゃん」御茶ノ水店
所在地 : 東京都千代田区神田小川町3-10-11
T E L : 03-5282-4823
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