 | VENTURE SPOT 2010年12月号 | 一覧に戻る | |
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シンガポール シーフード エンポーリアム |
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<アパレルで出会ったシンガポール> |
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今回は、中央区でシンガポール料理店「シンガポール シーフード エンポーリアム」を経営する野
村寿秋氏に話を伺った。
野村氏は、前職でアパレル会社を経営、製造工場をシンガポールに置いた関係で、82年頃からしば
しば現地を訪れていた。そこで出会ったのがシンガポール料理である。瞬く間にこの料理にほれ込ん
だ野村氏は、86年に麹町に現地のコックを招いてシンガポール料理店を出店する。だがこのお店は、
本業のアパレルの仕事が多忙を極めたため、数年で店舗を閉店してしまう。
その後、シンガポールと東京を行き来する生活を送っていたが、シンガポール料理への熱は冷め
ず、現地で料理を食べ歩くうち、ほとんどのシンガポール料理を作れるようになったほどだったが、
人件費の上昇にともない、アパレル工場はシンガポールを離れ、マレーシアのペナン、そして中国へ
と移転する。
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<現地そのままの味を> |
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こうして中国と日本を行き来しながらアパレル業を営んでいた野村氏だったが、平成8年、思い切
って事業を転換し、新橋でシンガポール料理店を開く。理由は、よりダイレクトな顧客の反応を得た
いという気持ちからだった。
シンガポール料理は、中国・マレーシア・インドネシアなど様々な国の影響を受けつつ、それらを
独自で洗練・発展させている。屋台は食文化の中心で、富裕層も旨い屋台に足繁く通うのだという。
野村氏は、その味を忠実に再現する。調理油や調味料は日本では手に入らないため、店内で手作りし
たものだ。さらに、シンガポール料理をここまで幅広く食べられる店は現在でも珍しいため、新橋か
ら八重洲、入船と二度も店舗移転しているが、大使館職員をはじめとするシンガポーリアンや駐在経
験者は、現地の味を求めてやってくるのだ。
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<民族料理を日本で伝える> |
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日本ではあまり知られていないシンガポール料理。現地の味で提供するには苦労も伴うが、民族料
理とは普段その国の人々が食べているものであり、その味を伝えていくことこそが野村氏の願いであ
り、こだわりだ。シンガポールという国同様、洗練されつつパワーを感じさせるこの料理は、きっと
日本でも広く受け入れられていくことだろう。
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会社名 : 有限会社モコトレーディング
店舗名 : シンガポール シーフード エンポーリアム
所在地 : 東京都中央区入船1-7-9
T E L : 03-3206-1537
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