 | VENTURE SPOT 2009年10月号 | 一覧に戻る | |
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魚ばか |
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株式会社スプラウトインベストメント | 代表取締役:高橋誠太郎 氏 | |
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<事業を興すために選んだ道> |
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今月は、今業界でも話題の「魚ばか」ブランドを展開する、株式会社スプラウトインベストメントの
高橋社長に話を伺った。
高橋氏は1974年仙台市生まれの35歳。慶應義塾大学在学中は、アジアを皮切りにコスタリカのジャン
グルやサハラ砂漠など秘境まで旅をする、バイタリティーあふれる若者だった。この頃から「衣食住
に関わる、肌感覚のある分野」で事業を興したいと考えており、就職活動でも総合商社や投資会社、
コンサルティングファームといった業種を選択。最終的に、「事業を興す力をつけるためのスピード
が一番早いと思った」という独立系コンサルティング会社に就職した。独立のために真っ先に身に付
けるべきは営業力との考えから、まずは営業職を経験。2年後自分の営業力に自信も持てるようにな
ると、目指したい分野のひとつだった外食業界担当部署へ異動を希望。念願かなってコンサルタント
として全国を飛び回り、店舗のコンセプト作りから立ち上げ、チェーン展開をクライアントと一緒に
進めていった。
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<独立後スピーディーな店舗拡大に成功> |
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コンサルティング会社で4年半過ごした後、2002年に独立。翌年にはコンサルタント時代にクライア
ントとして深い付き合いのあった、株式会社ハーバーハウスとパートナー契約を提携。外部資本とし
て初めて、同社が展開する業態「釣船茶屋ざうお」のモデル店を出店した。この業態はなんと言って
も、「釣りができる」というユニークな形態が特徴。店内に大型の生簀を設置し、その中に漁船を模
した座席を設置。お客様が釣り上げた生簀の魚を厨房でさばき、提供するという形をとっている。独
立の第一歩として「ざうお」を選んだ理由として高橋氏は、「ざうおという業態はただ魚を食べると
いうことではなく、自分で釣った魚を食べるといった『シーン(場)』を提供する魅力的な商売。こ
のような高付加価値のエンターテイメント性のある業態は、お客様もスタッフもハッピーになれま
す。」と話す。自社店舗独自企画として店舗内でのイベントを行うなど運営にも工夫を凝らし、1億
円の初期投資は1年3ヶ月で回収したという。2004年には、続けて亀戸駅前に「ざうお」2号店を出
店。2005年からは宅配事業やリラクゼーション事業にも進出、M&Aで次々と店舗数を拡大していっ
た。
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<オリジナル業態の展開> |
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フランチャイジーとして店舗数を拡大していくだけでも大変なことだが、高橋氏は自社ブランド開発
も同時並行で進めていた。2005年11月には初のオリジナル業態として「三浦地魚専門店 上潮家魚バ
カ三太郎新宿本店」を、2007年7月にはそのハイエンドブランドとして「銀座魚ばか」、2008年2月に
はカジュアルブランドの「新宿いかセンター」を開業。いずれの店舗も早い段階から収益を上げてい
るが、その理由は立地開発と仕入力によるところが大きいという。立地開発においては、「アクセス
は良いが賃料が安い」物件を厳選。学生時代から好きだったという街歩きで得られた感性を生かし
て、繁華街ではないエリアながらビジネスマンが多いエリアを選んだり、営業力を生かして大家さん
との関係を深めたりと、地道な努力を重ねた結果、「相場から3〜4割は安い」という物件の開発に成
功している。仕入は、グループの卸専門会社が担当。神奈川県の三浦漁港や千葉の船形漁港の関係者
と密に連絡を取り合い、「通常なら単品原価率60%を超えてしまう」ほどの良質な素材を確保してい
る。配送は水槽を備えた自社トラックで行い、店舗での管理も徹底。例えば新宿いかセンターでは、
イカだけで2種類の店内生簀を使い分けている。看板メニューの活やりイカ姿作りは、注文を受けて
からいけすのイカをお客様の目の前ですくい、足を含めた1匹丸ごとを刺身に。こうした豪快で迫力
あるボリュームの海鮮料理が受け、35坪70席、客単価4,000円の店舗でありながら、月商1,000万円を
計上している。2008年12月には、4号店となる桜木町活魚センターにイカ400杯を備蓄できる水槽も併
設。「魚ばか」ブランド10店舗体制に向けて、すでに3店舗の出店が決まっている。
自身の掲げる目標について、「ビジネスそのものが、エクスタシー(快感)であるような事業を行っ
ていきたい」と話してくれた高橋氏。スピーディーで着実な成長を遂げてきた同社の、今後の展開が
楽しみだ。
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会社名 : 株式会社スプラウトインベストメント
店舗名 : 魚ばか
所在地 : 神奈川県川崎市幸区小倉1737小倉ビル3F
T E L :
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