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 VENTURE SPOT 2012年5月号 一覧に戻る
スペインバル リフレイン新宿本店
株式会社サービスビジネスコンサルティング
代表:日賀野 俊雄 氏
<大学中退、バーテンダーの道を進みはじめる>

 銀行員の父と元銀行員の母の間に生まれた日賀野氏。厳格で実直なイメージのある彼が、飲食業の 道を目指すようになったきっかけは、幼少期に触れた母の気配りにあったと日賀野氏は振り返る。 「気遣うこと」、「喜んでもらうこと」、それが素直に嬉しいことだと感じられる環境に育った事 が、その後の人生に大きな影響を与えることになる。  高校卒業とともに上京し、有名一流大学へ進学。19歳で田町にある「すっぽん料理」のお店でアル バイトをはじめる。手に職をつけようと考えて始めたアルバイトだったが、予想以上に飲食の世界に 引き込まれることになる。およそ1年、学校に通いながら板前修業をする。そこで出会った気配りの 出来る先輩に憧れ、大学を中退し、バーを経営する会社に就職することとなる。

<バブルの頃の売上に戻せば、営業権を譲ってあげる>

 日賀野氏が、入社したのは1995年。バブルが崩壊し、その影響がまだ色濃く残っていた頃だ。数店 舗のバーを経営していたが、業績は悪化の一途を辿っており、昨年対比30%まで落ち込んでいく。と ころが不思議なことに日賀野氏が任された店だけは、前年と同水準を維持していた。それに目を留め た経営者に、売上が最も大きい店舗を任される。しかも、「3ヵ月の間に、バブルの頃の売上に戻す ことができれば、営業権を譲ってもいい」という条件付きである。当時、とても達成できると思わな い目標に聞き方によっては冗談とも思えるような指示であったが、日賀野氏は、2ヵ月後にあっさり バブル時を超える売上を叩き出してしまう。条件が一つ加わった「この数字を3ヵ月維持できれば、 営業権を譲りましょう」と。普通なら、約束が違うと怒るところだが、再度の条件を飲み、ふたたび 目標を達成してしまう。最終的には任された時の2倍の月商になっていた。2度目の約束も果たしたこ とで、営業権を譲渡してもらうことができる。日賀野は15万円のつり銭だけを用意し、独立を果た す。それが1997年11月1日。ここから経営者としての人生がスタートする。

<慢心という失敗の先に見えたもの>

「もう大丈夫だろうって、思ってしまったんですね」。独立から4年ほどたった2001年の頃である。 日賀野氏は、徐々に店に顔まで出さなくなった。すると、売上は減り、人間関係までギクシャクし始 めた。問題の根本は、慢心だった。「『おもしろいね』と言われることと、『いいね』って言われる ことは違うんですね。それを『おもしろさ』一辺倒で行ってしまっていたんです」。慢心は、客の気 持ちまで見失わせるような力を持っていた。やがて、この「慢心」に打ち克つことで、日賀野氏はま た一つ成長する。2010年からは、スペインバルの事業展開をスタートした。長年のバー経験を生か し、地域の方々のインフラとなる飲食店作りを志し始めた事業だ。こちらは好調に滑り出している。 新たな事業でも、気配り、気遣いが生きることは間違いない。今後の日賀野氏の活躍に期待したい。


会社名 : 株式会社サービスビジネスコンサルティング
店舗名 : スペインバル リフレイン新宿本店
所在地 : 東京都新宿区新宿3-20-1 嶋田ビル B1F
T E L : 03-3354-7590

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