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 VENTURE SPOT 2009年9月号 一覧に戻る
酒蔵なぶら
有限会社ナカコーポレーション
代表取締役:中山満勝 氏
<前職は大手建築事務所の建築士>

錦糸町で千葉から直送した魚介類と、厳選した日本酒を提供している「酒蔵なぶら」。オーナーの中 山氏(33)は、大学院卒の建築士という華やかな職業から和食店経営の道へと転身した、異色の経歴 の持ち主だ。 中山氏と「酒蔵なぶら」との出会いは、大学1年生の時にさかのぼる。大学で建築を学びながら、ア ルバイトで働いていたのがこの店だったのだ。「お客さんから直接反応が返ってくる仕事」が面白 く、大学時代4年間アルバイトを続けた。その後建築科の大学院に進学を機にアルバイトを辞め、学 業に専念。卒業後は1,000人の応募に対し採用は数人という難関を突破し、大阪の大手建築事務所に 就職した。ここでは早くから大規模な案件を担当する一方、土日には住宅設計中心の小さなアトリエ でも兼業で働き、大規模施設から住宅の設計まで経験。建築士として充実した毎日を送っていたが、 やがて大きな壁にぶつかったという。それは、「お客様が本当に喜んでくれているか、直接感じるこ とができない」というもどかしさだった。営業担当を通じてしか施主の要望や感想を聞くことができ ない大手建築事務所での仕事や、いかに建築士の個性を施主に提案するかが腕の見せ所となるアトリ エの仕事に疑問をもつようになったのだ。こうして悶々した日々を過ごしていた時に、ふと思い出し たのが大学時代アルバイトをしていた「なぶら」だった。美味しければお客様は喜び、問題があれば すぐ叱られる。そんなやりがいのある環境を改めて思い出したのだ。思い立ったら居ても立ってもい られず、1ヶ月休職をして東京に戻り「なぶら」でアルバイトを再開。「やはり自分がしたいのはこ の仕事だ」と確信し、1ヵ月後には正式に建築事務所を退職した。

<和食店オーナーとして、お客様とのつながりを深める>

こうして「なぶら」で働くことを決めた中山氏だが、ちょうどその頃オーナーは引退を考えており、 後継者を探しているところだった。後継者を紹介してくれないかと頼まれた中山氏はそこで一念発 起、建築士として独立しようと貯めていた資金をつぎ込み、自らが経営を引き継ぐことを決める。当 時29歳、調理場からホールまでどの従業員よりも年下の社長の誕生となった。もちろん経営は初めて のこと。会社設立手続きから、顧問税理士の決定、給与計算まで、手探りで進めていった。一通り店 舗のことが分かるようになったところで、中山氏がまず手をつけたのは顧客管理。店の経営のために は、今来てくれているお客様を大事にすることから始めようと思ったのだ。それまで年賀状や暑中見 舞いなど、年に数回送っていたDMはがきを見直し。6月にあわび祭り、8月に伊勢海老フェアー、2・3 月にはフグ鍋など、千葉の海産物の旬にあわせ季節メニューを用意し、そのお知らせを常連客に封筒 で送るようにした。お知らせは丁寧な手紙にしたためて封筒も上質な素材を使い、宛名はすべて手書 き。毎回1,500通以上を、従業員総出で手書している。こうして出された心のこもった手紙はお客様 の感動を呼び、その手紙を持って多くの常連客が来店してくれるようになった。 イベントのない月を中心に、法人営業も行っている。例えば1月には千葉の新わかめを手土産に、ア ポイントを取って常連客を訪問。さらには、団体や接待の幹事で名刺交換できたお客様には、翌日会 社に訪問し手土産を渡すことまでしている。誰に教わった行動でもなく、お叱りの言葉をいただくこ ともあるそうだが、「お客様からの反応を、直接いただきたいという思いから続けています。」と話 してくれた。翌日にすぐ訪問することでお客様からも喜ばれ、不満があればその場ですぐ伺って改善 につなげることができる。こうした地道な活動をこれまで5年間続け、着実にファンを増やしてき た。

<千葉郷土料理を気軽に食べられる店へ>

「なぶら」の特徴は、厳選した日本酒と、房州勝山港から毎日直送される天然魚介類・活イカだ。建 築士時代に趣味で取得した利酒士資格のネットワークを生かして、50種以上の日本酒も揃えている。 魚介類は店にイカ用と魚介用2つの水槽を備え、先代から引き継いだ仕入ルートに中山氏が新たに開 拓したルートからも仕入を行っている。漁師と直接契約をして伊勢海老を原価同然で提供するなど、 その仕入力は抜群だ。現在も月に数度は勝山へ通い、地元漁師や卸と密な関係を築いている。今後の 目標は、こうしたルートから「ガツ」など、市場に出回らない地元ならではの珍しい魚をより多く仕 入れていくことだ。「なぶらに行ったら、見たこともない珍しい千葉の魚が食べられる」という、千 葉の魅力を伝えられる店にしていきたいという。「郷土料理はとても高級な店か、昔ながらの店に二 分されていると思うんです。どちらも気軽に入ることができないですから、より日常的に郷土料理を 食べられる店を作りたいですね。」と話してくれた。さらには、より千葉になじみがない東京西部や 神奈川県で、千葉の郷土料理を供する店を広げたいとも考えているという。 「お客様とダイレクトなコミュニケーションを取りたい」という思いから店を継ぎ、着実にファンを 広げてきた中山氏の活躍が、今後も楽しみだ。


会社名 : 有限会社ナカコーポレーション
店舗名 : 酒蔵なぶら
所在地 : 東京都墨田区江東橋4-10-12
T E L : 03-3631-3140

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