| VENTURE SPOT 2009年3月号 | 一覧に戻る | |
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ダイニング 和くら |
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<料理の楽しさに目覚めて> |
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2007年東戸塚にオープンした、和食ダイニング「和くら」。オーナーの那倉氏は、胸に大きな夢を秘
めたエネルギッシュな人物だ。
飲食業との出会いは、16才で始めたファミリーレストランでのアルバイト。セントラルキッチン方式
のため店での調理は簡単なものだったが、それでも楽しくて仕方がないと思えるほど、料理をするこ
とは自分に合っていたのだという。
高校卒業後は都内のホテル専門学校へ入学。「かっこいいバーテンダー」に憧れ、カクテルの勉強に
のめり込んだ。ただ、いつか自分の店を持ちたいという強い気持ちがあり、そのためには料理もでき
るようにならなくてはと、卒業後の修業先には和食料理店を選んだ。そしてこの選択が、那倉氏の人
生を大きく変えることとなる。修業先で出会った日本酒・焼酎、梅酒といった日本の酒。バーテンダ
ーを志していた学生時代にはなじみがなかった酒だが、すぐにカクテルの知識を追い越すほどにすっ
かりハマってしまったという。料理の技法もスポンジが水を吸う様に吸収し、その後はより一つの料
理を深めたいと、串焼き、豆腐料理の名店などで修行を重ねた。
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<3ヵ所以上は周囲の店と差別化を> |
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こうして手腕を磨いた後、那倉氏は2007年に念願の独立を果たす。一号店の立地に東戸塚という場所
を選んだのは、40・50代の富裕層が多い土地だからだったという。駅前ながら元はガレージのようだ
った物件を、仲間の協力を得ながら自らの手で内装を手作りしたというから驚きだ。
「新しい店をオープンするときは、3つ以上周りの店と差別化できる点をつくりたい」という那倉氏
の言葉通り、「和くら」には他店には見られない特徴的な点がいくつもある。例えば厨房との仕切り
がないフラットで幅広のカウンターは、知らないもの同士がちょうど心地よいと思える距離を計算し
てつくられている。カウンターに一般的な椅子の倍近く幅広のソファーチェアーを置いているのも、
カウンターでもゆったりと過ごせるようにという配慮ゆえだ。
料理は愛知県から直送した三河鶏の炭火焼や、福岡から取り寄せた大豆で作る手作り豆腐なと、これ
までの経験がたっぷりと生かされたこだわりの和食料理を提供。オープンから2年あまりで、すっか
り東戸塚での地位を確立した。
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<飲食から日本を変える、夢と野望> |
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自らの店をオープンして以降、ほとんど休むことなく働く那倉氏には、大きな"野望"と、そこに至る
ためのステップとしての"夢"があるという。「夢は必ず叶えるものだと思っています」と語るほど、
その意思は固い。そのために夢を実現する日付をしっかりと決め、1ヶ月ごと、1日ごとの目標にま
で細かくブレークダウンしている。直近の夢は、2年後の10月1日に2店舗目の「和くら」をオープン
させること。そのためには例えば、今年の夏までにいくら資金を準備しておかなくてはならないのか
など、細かいプランを立て1日ごとの行動計画を立てているのだ。話を聞いているとプランを実行す
る日付と内容があまりにすらすらと口をついて出てくるので、こちらも思わずその夢に引き込まれて
しまうようだ。
こうした夢の先には、那倉氏の「大きな野望」がある。かつて尊敬する人物からその考えを聞き、共
感したというその想いとは、それはこれからの日本を盛り上げ、元気にしていく若き「経営者軍団」
を作るというものだ。経営者同士、孤独を分かち合い、成功を喜び合う"戦友"としての仲間を作って
いきたいという。そのために、まずは飲食業で3店舗を経営し、定期的に1つずつ新しい店をオープン
するというプランを立てている。その際に、これまで経営してきた1店舗をリースとして、店長に独
立して経営してもらい、その度ごとに"経営者仲間"を増やしていこうというものだ。
こうして仲間を広げていく社会を、那倉氏は縦社会でも横社会でもなく、皆が対等に暮らす「輪の社
会」だと話す。「輪の社会」では人が2人以上いれば社会ができる。1つの輪に合わなければ、そこを
離れて別の輪に行けばよい。みんなが気持ちよく暮らせる社会を、飲食業から本当に作っていける
と、心から信じているのだ。
「自分にとって『進化』とは、『進加』。」つまり大切にしたいものは変えず、しかし新しいことは
どんどん学んでいきたいと話す那倉氏。日本を良くして行きたいという熱い気持ちを、これからも見
守りたい。
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会社名 :
店舗名 : ダイニング 和くら
所在地 : 神奈川県横浜市戸塚区品濃町543-6
T E L : 045-822-1733
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