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 VENTURE SPOT 2006年2月号 一覧に戻る
Spoon Bread(スプーンブレッド)
Mother’s Inc(マザーズインク)
代表取締役 武藤 ゆうき 氏
<ある日、突然の出店決定>

「もし、自由が丘でお店を開くとしたらどんな店にする?」多くの女性の話題を集めたフードテーマパーク「自由が丘スイーツフォレスト」の一角、「スウィーツセレクト」と名付けられたゾーンに位置するカフェダイニング「スプーンブレッド」は、オーナーである武藤ゆうき氏が知人との食事中に投げかけられた、こんなひと言から始まった。「私は、飲食店の経営にはまったく初心者でしたが、企画提案に関しては自信がありました」と、武藤氏は打ち明ける。この知人の問いに、武藤氏は以前から思い描いていた‘食への思い’と、自由が丘という立地からイメージされるアイデアを語った。武藤氏のアイデアに何かを感じ取った知人から、「それを2週間以内に企画書にまとめて欲しい」との依頼を受け、とりあえず企画書の作成は了承したものの、いったい誰に提出するのか、また具体的な場所はどこなのかなど、詳しいことは一切教えられなかったという。自分の夢を精一杯詰め込んだ企画書を知人に提出した後、武藤氏は次のアメリカ出張の準備に明け暮れていた。そんな中、くだんの知人から突然「プレゼンに来てくれないか」との連絡が入り、そこで初めて、株式会社ナムコが計画する「自由が丘スイーツフォレスト」のプロジェクトに企画書が渡っていたことを知らされたのだった。プレゼン日は何と渡米の2日前、忙しい最中をぬってプレゼン会場へと足を運んだが、「ぜったいに可能性はないと思っていたので、もう心はアメリカでしたよ(武藤氏)」。ところがプレゼンの日の午後9時、携帯電話に「ぜひ出店をお願いしたいのですが」と、担当者からの連絡が入ったのである。「あり得ないですよね(笑)。だってオープンは3ヶ月半後に迫っていて、私は明後日から1ヶ月半のアメリカ出張でしょう? 商業施設への出店ですから、保証金などの準備もあるわけだし。でも、一緒に経営に賛同してくれたパートナーや古くからの友人が、日本を離れている間の担当窓口を引き受けてくれたんです。ありがたかったですね」いま置かれている状況を完全に把握することができないまま、武藤氏はアメリカへと旅立った。到着するとすぐに、滞在ホテルに契約書・図面などが次々とFAXで送られて来る。こうして、武藤氏は夢の実現へと一歩を踏み出したのだ。

<妥協を許さない食へのこだわり>

アメリカから帰国後、たった2ヶ月間で、近隣のマーケティング調査から事業計画の作成、メニュー開発、さらには店舗の内装や家具、食器やカトラリーの選定までを行わなければならなかった。店舗のオープンに伴う業務の煩雑さは生半可なものではない。しかし武藤氏は、ことメニューに関しては自分に妥協を許さなかった。あくまでも、「自分がニューヨークで感動した味を再現したい。しかも、日本人が日本で食べて美味しいと感じる商品に仕上げたい」という信念を貫いたのだ。特に自由が丘という場所柄、周辺の人々の食に対する感度は非常に高く、食育の問題や健康志向など、単なる美味しさ以外の要素にも気を配る必要があった。「スプーンブレッド」の代表メニューである「ポップオーバー」は、TVで有名なグルメ紹介バラエティ番組のデザート部門で1位を獲得するほどの人気ぶり。昨年の12月には、クリエーターのパトリス・ジュリアン氏を招いて、大手食品メーカーが加盟する日本スープ協会主催の「スープの日」イベントを開催したところ、30名の参加定員に約700名もの応募があったという。同店は、常に話題の先端を行く飲食店として有名なのだ。ベーキングパウダーを使わずに生地を焼き上げる「ポップオーバー」は、シュー皮とデニッシュの中間のようなサクサクした舌触りのアメリカンブレッドだ。最近はテイクアウトが好調で、週末には1日200個近くを売り上げるという。「ポップオーバーの材料は、卵と牛乳、薄力粉に少々の塩のみです。素材を厳選し、できる限り焼き立てを提供したいので、常に焼き続けています(武藤氏)」ニューヨークでは、ポップオーバーはシチューやベーコンエッグとともに食事として食べることが当り前であるから、同店でもランチタイムにはカレーやシチューとともに提供している。しかしニューヨークで流行っているそのままのかたちでは日本人に浸透させることは難しいと考え、「もっとシンプルに、わかりやすいメニューを」と追求した結果、焼きたてのポップオーバーの中に冷たいアイスクリームと生クリームを入れ、トッピングはバナナとチョコレートソースという「ポップオーバーサンデー」(600円)にたどり着いた。もちろん、女性や子供たちに爆発的な人気となり、一度に2皿を食べ切った子供もいるという。こうして、スプーンブレッドは日本で初めての「ポップオーバーの専門店」としてその地位を確立したのである。

<食文化の情報発信を目指して>

武藤氏が代表取締役を務める会社「Mother's Inc.(マザーズインク)」は、「楽しく食べ、素敵なことを知り、学び、素敵に生きていく」という企業理念を掲げている。「アメリカの食文化は面白いですよ。人種の数だけ食文化があるんです」と語る武藤氏。「ポップオーバー」は、英国ヨークシャーからニューイングランドに伝わり、ニューヨークで定着している人気メニューである。その他にも、ベーグルやドーナツ、ピザなど、ルーツは異なるがニューヨークの味覚としてしっかり定着している食べ物は多い。またオーガニックやマクロビオテックなど、食に関する意識も日本より進んでいる。武藤氏はかつて3年半ほどニューヨークに在住していた際に、「何とかしてこの食文化の魅力を日本に持ち帰りたい」という思いを強く持つようになった。頭の中には「アメリカンブレッド」のブランド構築がかたちをなし始め、好奇心や探究心は日増しにふくらんだ。「ニューヨークに暮らしていた頃、とてもお気に入りのベーグル店があったんです。その店のレシピが知りたいあまり、ゴミ箱をあさって使用している粉のメーカーを調べたほどでした。あまりにも足しげく通ったので、最後には厨房へ入れてもらいましたよ」と語る武藤氏。その想いが実現し、こうして店舗を構える日がやって来るとは、当時の武藤氏には思いもよらないことだったのだが。もうひとつ、「スプーンブレッド」の特徴として欠かせないのがスクール&サロン事業だ。商業施設への出店とはいえ、平日はやはり周辺住民の利用が中心であると予想していた武藤氏は、地域の人々とコミュニケーションを図り、食文化の情報発信をしたいと考えた。そのために、店内にシステムキッチンを組み込んだ8坪ほどの教室スペースを設けたのである。大手電機メーカーに企画書を持ち込み、PRの一環として無償でシステムキッチンを導入してもらったというから驚きだ。今年の後半からは、すべての食に関連する講座やイベントを入れ替えて新たにスタートする予定。また最近では、実験的に閉店後の店内で様々なパーティを開催するなど、「今後もどんどんコラボレーションを生み出し、新しい展開をしていきますよ」と武藤氏は語る。2006年に入り、「スプーンブレッド」も3年目に突入した。「オープンした2003年11月21日からの2年間は、振り返ることなく邁進してきました。しかし、これからの2年間はフィードバックの時期にしたいと思っています」と、明るい笑顔で話す武藤氏の視線の先には、さらに大きなビジョンが見据えられているに間違いない。


会社名 : Mother’s Inc(マザーズインク)
店舗名 : Spoon Bread(スプーンブレッド)
所在地 : 東京都目黒区緑ヶ丘2-25-7 ラ・クール自由が丘(スイーツセレクト2F)
T E L : 03-5731-6262
H  P : http://jiyuugaoka.jp

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