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 VENTURE SPOT 2008年2月号 一覧に戻る
インド料理レストラン HATTI(ハッティ)
株式会社ターリー屋
代表取締役:吉川浩伸 氏
<明治屋で学んだ驚きの顧客至上主義>

今回取材したインド料理レストラン「HATTI(ハッティ)」は、店舗の中に「インドの古都デリーの 町並みを再現した」というユニークな飲食店だ。同店の他、新宿を中心に現在5店舗のインド料理 店を展開するターリー屋の吉川社長が、大学を卒業して最初に就職したのは食品流通の超老舗企業 であった。入社してすぐに小売部に配属された吉川氏が、広尾にある高級スーパーで叩き込まれた のは徹底的な顧客第一主義。店舗では当時まだ非常に珍しかったハーブ売場を担当し、毎日入荷す る生ハーブの9割以上が売れ残って廃棄されるのを見て驚愕したが、「顧客のために“日本一のハ ーブ売場”を維持することが、最終的に大きな売上につながるのだ」という上司の言葉を信じて、 「目をつぶって買い物かごに入れてもハズレ商品はあり得ない」をモットーとするその売場を守り 続けた。 長く続いた「老舗の暖簾」を大切にし、今で言えば「セレブ」な優良顧客を重視するその企業風土 は、若かった吉川氏にとって100%理解できずとも、これまで知らなかった新しいモノの見方を 教えられた現場であった。「今すぐに売れなくても良い。日々築き上げた信用が将来何倍にもなっ て返ってくる」という考え方は、いわばマーケティングでいうブランディングの考え方そのものだ と言えるかも知れない。 生来、常に物事の違った側面を考えてみるという性格ではあったが、この職場で吉川氏が学んだの は「表面的な損得ばかりを見ず、長期的な視点でビジネスの利益を考えなければいけない」という 商売の姿勢だったのだ。

<派遣ビジネスで独立し年商10億円>

両親が離婚したため、吉川氏は母親に育てられた。「苦労して学校に行かせてくれた母に報いた い」と、早くから独立志向であった吉川氏は、平成元年、28歳の時に会社を辞めて独立する。当 時、本当にやりたかったビジネスはレストラン事業だったが、大きな店舗投資が必要な飲食業は諦 めて、食品売場の試食販売にマネキンを派遣する販促ビジネスに参入した。もともと、会社でもこ うした販促の担当者であったことも理由のひとつだったが、必要なスタッフさえ揃えることが出来 れば、大きな資金がなくても始められるビジネスということも魅力であり、「これなら出来るかも 知れない」と、考えた上でのスタートだった。会社で徹底的な顧客志向の視点を叩き込まれた吉川 氏にとっては、まだまだ改善の余地のある業界にも思えたのだ。 しかも、時代はちょうどアウトソーシングのブーム、派遣ビジネスの時代だった。「当時は気づき ませんでしたが、たまたま選んだのが、ロケットみたいな勢いのある事業だったんです」と、吉川 氏は語る。これにはもちろん謙遜も含まれている。実際には、食品のマネキン派遣は大手の広告代 理店なども参入しながら最後には撤退するなど、利幅も少なく仕事はキツイ業界で誰もやり手がな いという商売だったのだ。 そのロケットと一緒に会社の業績は急成長を遂げた。その後の約10年間、売上は黒字で、仕事を 取るために大きな努力は必要なく、年商は最高で10億円ほどにまで伸びた。大阪にも支店を出 し、最盛期には70人の社員を抱えていた。だが、そうした経営は急激な変化を迎えることとな る。

<最後の資金で新たな成功をつかむ>

時代の変化の影響もあったのだろう。気がつくと業績は急激に落ち込み、たった3ヶ月で売上が半 分以下に減少した。社員に支払う報酬コミッションも減らさなければならなくなり、社内は荒れて 労働組合が組織され、スト予告まで受けた。建て直しも考えたが、組織が崩壊した現場ではそれも 難しかった。仕方なく、まだ余力のあるうちに主力銀行1行だけを残して他のすべての負債を整理 し、会社を精算した。 そして5年前、その最後に残った手持ち資金で「勝負してみよう」と始めたのが現1号店のインド 料理店ターリー屋である。皮肉なことに、この時ついに念願のレストランを始めることができたの だ。もちろん失敗は許されなかった。これまでの事業で培ってきた独自のマーケティングの考え方 に基づいてコンセプトを組み立て、確実に成功できると信じられる業態を作り上げた。インド料理 を選んだ理由もそこだ。多くの人手を必要とせず、競合が少なく、こだわるべきところさえ間違え なければ、既存の業界は決して怖くはない。開業前から密かな自信はあった。 1号店はオープンから行列が出来た。その後2年ごとに店を出し、最新店の「ハッティ」は昨年、 FCのためのセントラルキッチンとしても活かせるように、あえて別業態として出店した。会社の 業績はV字回復を果たし、売上こそ低いが現在では過去最高利益を出している。全店で単月赤字は 1回も出ていない。 「成功の本質は業種の選択にあるんです。販促のプロとして自信はありました」と語る吉川氏の物 腰は控え目だが、その言葉には確かな自信が感じられた。


会社名 : 株式会社ターリー屋
店舗名 : インド料理レストラン HATTI(ハッティ)
所在地 : 東京都新宿区西新宿7-5-5 プラザ西新宿1F
T E L : 03-5348-8839
H  P : http://hatti.biz/

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