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 VENTURE SPOT 2006年1月号 一覧に戻る
スキップキッズ
株式会社クリアール
代表取締役 藤代聡 氏
<開店からずっとランチはほぼ予約で満席>

「申し訳ございません。ランチタイムはご予約のお客様ですでに満席になっております」東京、西葛西に昨年6月にオープンした親子カフェ「スキップキッズ」では、連日のようにこんなお詫びの言葉を伝える従業員の声が聞こえる。東京メトロ西葛西駅から徒歩7分ほどのところにある「スキップキッズ」は、オープン以来、ランチタイムはほぼ予約で満席の状態が続く超繁盛店だ。経営する株式会社クリアールの代表取締役、藤代聡さんは予約をとらざるを得なくなった理由をこう説明する。「オープンして1週間後には、店頭にお待ちいただくお客様の長い列ができてしまったんです。そもそも子供たちの笑顔が見たくて作ったカフェなのに、待つ間に店の前で泣き出してしまう子供が多くて。そこで、やむなく予約していただくことにしました」多くの飲食店が集客に悩む中で、同店はランチタイムに3回転することもしばしば。月間の来店客数は5000人を超え、平均客単価は2300円をキープしているというから驚きである。同店を利用できるのは親子連れのみ。親たちは55坪の店内の半分近くを占める60席のカフェスペースを利用する。料理やドリンクはすべてセルフサービス。その間、子供たちは1時間250円、延長30分100円の時間制で、立体遊具やすべり台、ボールプールなどが揃う遊戯スペースで遊ぶことができる。店内には保育経験のあるスタッフが常駐し、子供たちに目を配っている。最近は安心して子供を遊ばせながら、ゆっくりと食事や会話を楽しめる場所はそう多くはない。そのニーズに対して、このカフェがずばりはまった。いや、はまったのではなく、開業前に行った綿密な調査を基に、藤代さんがこの親子マーケットにかちっと当てはめたのだ。

<FRを越える客単価2300円の秘訣>

平均2300円という、ファミリーレストランをはるかに越える客単価の内訳はこうだ。「ランチタイムは生麺を使ったパスタ、ピザ釜で焼き上げるピザなどが800円から1000円ほど。ドリンクセットだとプラス200円になりますから、大人は1200円程度。お子様の分として、多くのお客様が500円の『スキップ・キッズプレート』を注文します。その場合、60分は無料で遊べますから、これで親子合わせて約1500円から1700円ほどになります」しかし、さらに夜の営業が加わるのである。「特に週末の金曜、土曜は盛況なのですが、居酒屋感覚でご利用いただくお客様が多いのです。当初は9時に閉店していたのですが、”宴もたけなわ”のお客様も多く、10時に変更しました」。同店を利用する親は20代前半から30台後半が中心。つまり、子供を持つ前にはカフェやダイニングをよく利用した世代でもある。そんな親たちにとって、子供を遊ばせながらゆっくりと食事とアルコールを楽しめる同店は、使い勝手が抜群の居酒屋でもあったのだ。「正直、それほどアルコールが出るとは想定していませんでしたから、最初はビールとグラスワイン程度だったんです。現在ではカクテル類やワインのボトル等も充実させていますし、おつまみも注文していただきますから、夜の時間帯だけでみれば客単価は4000円ほどになるんですよ」開業前に作成した収支計画で見込んでいた客単価は1100円。嬉しい誤算で、倍以上の客単価を実現している。

<緻密なリサーチで構築したビジネスモデル>

予約で溢れる集客数の背景には高いリピート率がある。「午前中に一度来たお客様が、夕方、再び来店されたことがあったんです。聞けば、公園に行く感覚で当店を利用されていたんですね。現在、公園は子供が安心して遊べる場所ではなくなりつつあります。浮浪者が住みついていたり、砂場がばい菌だらけだったりしますから。そんな中で、当店は飲食店と公園の中間的な施設として使われているんですね」安心で使い勝手のよい店舗の噂を聞きつけ、近隣住民はもちろんのこと、浦安、市川といった車で1時間ほどかかるエリアから来店する顧客も少なくない。わざわざ来たお客であればあるほど滞留時間は長くなる。「ランチタイムに席が埋まらなかったのは、去年の大雪の1日だけです。ですから“お客様は来るだろうか?”と、心配したことはほとんどありません。そもそも確実にニーズを感じていましたから。開業前に、子供を持つ首都圏の主婦200人を対象にアンケート調査を行ったんです」付き合いのあった調査会社に依頼した調査結果は予想以上だった。まず、「こんな店があったら利用しますか?」との設問に、90%以上が「利用する」との回答。中でも「絶対に利用する」が40%という期待ぶりだ。その他、調査では距離や時間、利用頻度など、事業計画を作成するのに必要なデータが入手できた。また、競合する既存店、つまりファミレスに対する不満についても書いてもらった。「様々な意見を書いていただきましたが、調査会社に聞いたところ、このような自由回答での書き込み欄はふつう空欄になることが多いのに、あえて書く人が多かったと言うんです。それだけ満足度が低かったということなのでしょう」このリサーチを基に考えたのが、同店内で行う「マッサージ」や「フラワーアレンジメント」などのサービスだ。

<将来を踏まえた5段階の事業展開>

藤代さんは言う。「この事業は5つのステップで展開を考えています。第1ステップが『飲食+遊び』。これで収支が成り立つ計画を立てました。第2ステップが『遊び+スクール』で、現在、主に午前中の来店客の少ない時間にフラワーアレンジメントやコーチング、食育などの教室を開いていますが、キャンセル待ちの教室も少なくありません。講師の方には場所代をいただきますが、こちらとしては人件費・原価は一切かからない事業で、いわば時間と空間の有効活用ですね。そして第3ステップが『マーケティング』です。アイドルタイムを活用して、玩具や食品関係など、企業のリサーチルームとして客席の一部を利用してもらいます。協力いただける子育て世代の主婦のリクルーティングは難しいのですが、当店では子供連れでグルインに参加できますから」第4、第5ステップに関しては、現段階ではまだ言えないとのこと。まだまだ収益の仕組みは増えそうだ。

<夢は40代前半で株式公開>

藤代さんは、バブル経済の真っ只中に大学を卒業し、リクルートに入社。当時から、将来、何か事業を起こそうと考えていたという。「リクルートは、顧客の間口が広かったのが何よりも勉強になりました。お客様になぜ業績が伸びているのかを聞き、それを自分なりにタテ、ヨコ、ナナメから分析するような仕事が主でしたが、その中で、資金サイトが長い事業の難しさを知り、現金商売に魅力を感じるようになったんです。また、多店舗化し始めたばかりの飲食チェーンの経営者と付き合うことが多く、そのダイナミックさにも魅力を感じていました」この事業を思いついたのは、「3人の子供たちと、親である自分が本当に楽しめる場所がない」と感じていたからだ。リクルート身につけた分析能力と日常の中で見つけたニーズを組み合わせ、38歳で会社を辞め、出店した。出店エリアを考えるため、マーケットのポテンシャルを一都三県で調べた。核家族、公園の数など様々な項目に関するデータを収集し、自作のソフトに打ち込んで、最も可能性のあるエリアが江戸川区であることを突き止めた。オープンして半年ほど経つと、噂を聞きつけ多くのベンチャーキャピタルが出資を申し出て来たが、その中でソフトバンクインベストメントが運用する「SBI・リアル・インキュベーション1号投資事業有限責任組合」から今年1億円の出資を受けた。資金面の安定を基盤に、年内に直営店をもう1店出店する予定だ。さらに来年には直営5店、FC5店を計画。再来年以降は、直営、FC合わせて年間30店の出店を予定している。藤代さんの夢は「40代前半で株式公開」。夢の実現に向けて走り出した「スキップキッズ」に注目したい。


会社名 : 株式会社クリアール
店舗名 : スキップキッズ
所在地 : 東京都江戸川区西葛西4-2-14 SKガーデン西葛西1階
T E L : 03-5667-6816

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