守一隅而遺万方(いちぐうをまもり ばんぽうをわする)

   「一隅(ひとすみ)」とは、四隅(よすみ)のうちの一隅、つまり、片隅(かたすみ)のこと。「万方(ばんぽう)」とは四方であり、この場合は、一隅に片寄らない大局的な判断ということ。従って、この言葉の意味は「一隅を守っていて、大局的な判断を忘れてしまう」ということです。リーダーたる者は、こうあってはならないということ。
 さて、飲食店などのお客様は、入店した時からお店や従業員の清潔感、身だしなみ、「いらっしゃいませ」の第一声、応対時の声の明るさ、姿勢、お辞儀の仕方、顔の表情、待機中の態度、オーダーの取り方、料理の質などを瞬時にチェックし、お店全体の統一感のある「行動」「言動」によって、再来するかどうかを決めています。
 今、味の良さ、値頃感、高品質は当たり前、その上で人間的なふれ合いや、自分だけに向けられたサービスへのお得感、特別感、感動を求めるようになっています。味だけの一隅を守るのではなく、総合的なバランスを常にとっておくことが、多くのお客様をリピーターにする上で大切なことです。

『淮南子(えなんじ)』 前漢時代の書

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