吹毛剣(すいもうけん)

 吹毛剣」とは、ふわふわ落ちてくる毛を真っ二つにするほど切れ味のいい鋭い剣のことです。その鋭利な剣で断ち切らなければならないものとは、私たちの煩悩、執着、妄想です。つまり、この吸毛剣とは般若の智剣です。しかし、いかに鋭利な剣でも、常に研ぎ磨いていなければ、切れ味は落ちてしまうし、吹毛剣に限らず、私たちの人間性、本性もまた、常に磨いておかなければ曇ってしまいます。
 ところで、モノには「完成品」というものはありえないものです。新しい画期的な商品・料理等を前にして、もうこれ以上のモノはつくれない、消費者・お客様も満足するだろうと思っても、必ず、改良の余地が生まれてきます。実際に使っている消費者、実際に食べているお客様が、その改良余地を見つけてくれるからです。一つの便利の提供が新たな次の不満を増殖してゆくのです。それは、進歩の原動力となります。あらゆるものは、改良の余地がある不良品なのです。それを今より完成品に近づけようとする努力が、売れる商品を生み出す強い要因となるのです。常に、消費者・お客様の期待値を上回るモノを提供し続けるたゆまぬ努力の積み重ねが大切です。
 『碧巌録」へきがんろく 


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