処事不可有心(ことをしょするにはこころあるべからず)
『宋名臣言行録』

 これは、宋代の名宰相(さいしょう)の韓埼(かんき)という人物が語った言葉です。この場合、「心」というのは下心のことです。「事を処するには心あるべからず。心あれば自然ならず。自然ならざれば擾(みだ)る」――事を処理するのに、ヘンな下心を持っていてはいけない。下心があると、どうしても無理が生じて、騒ぎのもとになる、というのです。へたな駆け引き休むに似たり――と、大事な仕事は、下手な駆け引きをしない方が、相手にも誠意が伝わりやすくなり、自然と事がスムーズに運ぶということです。お金はあっても無駄なものには使わないのが今のお客様です。これまでは、「これだけのモノを提供しているのだから儲けさせて..」とお客様に当然のように見返りを要求してきました。「ギブ・アンド・テイク」の発想です。ギブ・アンド・テイクは「やるからくれ」の供給サイドの論理だから、どうしてもお客様を無視した商売になりやすいものです。しかし、これでは、お客様に支持されません。これを避けるには、ギブ・アンド・テイクで見返りを求めるのではなく、「ギブ・アンド・ギブ」の発想で、自分の買いたくなるようなモノやサービスの提供に努めることです。「やるからくれ」の下心を捨ててみましょう。見返りのテイクの部分は考えない。とにかく「これなら自分もほしい、買いたい」と思うモノやサービスの提供に専念する。「ギブ・アンド・ギブ」で、お客様のプラスになるものを与えることに徹することです。そうすれば、本当に満足の得られるモノやサービスには、お客様から「ありがとう」と感謝され、惜しげもなく支出するものです。


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