これは有名な『法華経』普門品第二十五、俗に観音経と呼ばれるものの中に出てくる言葉です。『聚』というのは、集まるということで、観音菩薩の功徳が海のように溢れて、際限なくわれわれ衆生をお救い下さるということです。仏の慈悲は海のように深く広大で、すべての人間を一人残さず包み込んでくれます。しかし、だからといって、ただぼんやりして、棚からぼたもち式に福が来るのを待っていたのではだめです。福を受けるためには、世の中の『音』を『観』じて、こちらから働きかけねばなりません。『南無観世音菩薩』と唱えると、たちどころに観音様はお出でになります、と観音経は説いています。それは、まずこちら側に働きかける心がなければ、観音様も福の授けようがないということなのです。"何か一つの行動"を起こすことによって、はじめて福が得られるのです。私たちの身近で考えると、ほとんどの消費者・お客様は、自分のニーズが分かっておらず、8割以上の人が店頭で商品の情報を手に入れており、お店に来てから何を買うか、食べるかを決めています。今売れているモノや売れていること、人が集まっているレストランやお店、業績が好調な会社には、自ら何かのアクションをおこしています。私たちそれぞれが、お客様が欲しいモノに出会いやすいような環境を常に工夫するなど"何か一つの行動"が、サービス業やお店には大切でしょう。
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