2003年11月1日(土)
居酒屋大手各社が新型店で高級感などを演出

 大手居酒屋チェーンが相次ぎ新型店の開発を強化し始めている。
 「つぼ八」「和民」などの主力店に続くブランドを育成し、収益基盤を広げようとしているもので、特色ある料理や品ぞろえのほか、内装や照明、レイアウトに工夫を凝らすなどして、女性やファミリーなど新たな顧客層を呼び込もうとしている。
 競争激化で疲弊した店舗のテコ入れというところだ。
 全国で「つぼ八」を約500店展開するつぼ八(本社 東京都台東区)は今月、千葉県で新たに和風居酒屋「茜(あかね)どき」を出店する。
 フローリング床を採用し、照明を抑えるなど落ち着いたムードを演出し、高級感を出すという。
 来春にはフランチャイズチェーン店の展開にも乗り出すという。
 1978年からFC展開を始めた「つぼ八」以外では、FCで手掛ける初の新業態となり、新店は皿やテーブルなど調度品も刷新し、焼酎や地酒の品ぞろえを拡大、ビジネスマンやOLを主要顧客とし、客単価は「つぼ八」より約600円高い3000円前後を見込む。
 「甘太郎」など約350店を運営するコロワイドは複合飲食チェーンへの脱皮を目指し、東京銀座に10月27日に、同社初の中華業態を出店した。
 外部から専門の料理長を登用、夜間はコース料理を主体とし、客単価は6000円―8000円に設定した。
 今夏には都内でアジア風の創作料理店を開くなど、居酒屋のイメージを変えていく戦略。
 「和民」など360店を運営するワタミフードサービスは、郊外向けの低価格店「わたみん家」を開発、くし焼き料理を中心に、客単価を主力の和民に比べ約3割引き下げた。
 和民では扱っていない発泡酒も提供し、一方都市部では客単価を約1割高めた新型店「ゴハン」の出店を強化していくという。
 モンテローザ(東京都武蔵野市)も、全国に約400店ある主力の「白木屋」のテコ入れに乗り出している。
 外部の店舗プランニング会社と組み、インテリアやメニューを刷新した店舗を、10月20日に埼玉県内に出店した。
 店舗のロゴから料理の盛り付けまで全面的に見直し、「女性客が入りやすい店づくりを進めた」という。
 顧客の反応を調査した後、ほかの既存店の改装に活用していく考えという。

【参考】主な居酒屋チェーンの店舗数と主力業態
    
   企 業 名    総店舗数  主 力 店
   養老乃瀧     1500  養老乃瀧
   モンテローザ   1132  白木屋、魚民、笑笑
   村さ来本社     515  村さ来
   つぼ八       506  つぼ八
   大 庄       498  庄や、やるき茶屋
   ワタミフードサービス363  和民、和み亭
   コロワイド     350  甘太郎、一瑳、北海道

(注)店舗数はFC店含む。大庄は直営店のみ



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