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 VENTURE SPOT 2006年7月号 一覧に戻る
Papabubble(パパブブレ)
有限会社カンノ
代表取締役 菅野清和 氏
<商店街の中のヨーロッパ>

JR中野駅からアーケードで有名なサンモールと中野ブロードウェイを抜け、さらに通りを渡って、新井薬師方面へと向かう小さな商店街「薬師あいロード」を半ば近くまで歩くこと約10分。昔ながらの商店街の中で異彩を放つヨーロッパ風のスタイリッシュなデザインの店舗が、いま話題のキャンディショップ「パパブブレ」だ。スペインのバルセロナに本店を持つ「パパブブレ」は、キャンディ職人が店内でキャンディをつくる過程を実演してくれるというユニークなショップである。パパブブレのキャンディは、細長く伸ばした棒型の飴を細かくカットして作り上げるという、日本で言えば「金太郎飴」タイプのものが中心だが、決まった絵柄しかない日本の金太郎飴とは異なり、無数の色とデザインがあるのが特徴だ。断面がオレンジやキウィの切り口そっくりなものや、バナナやイチゴ、ハートマークなどの絵柄が浮き出たもの、きれいな幾何学模様が描かれたものなど、その美しさはまるで宝石のよう。驚くのは、直径1センチほどの飴の中に、「THANK YOU」といった小さな文字が描かれた飴。文字によりできないものもあるが、平仮名を入れることもできる。この文字を入れる手法はパパブブレ独自のもので、「オリジナルで作りたい」という問い合わせが多数寄せられているという。キャンディの主原料は厳選された砂糖と水飴だけだが、加える甘味と酸味の組み合わせで、さまざまな味のキャンディが出来上がる。また、飴を伸ばしていくときの空気の練り込み具合で食感も変わり、サクッとした軽い歯ざわりのキャンディも人気だ。店内にディスプレイされたキャンディは、袋入り70gで400円からとお手ごろな価格。平日の昼間から、女性客やカップルなど、多くのお客で店内は賑わっている。

<和食の調理人としてスタート>

パパブブレの代表を務める菅野氏は、もともと大阪の調理師学校を卒業した和食の職人だ。卒業後はホテルの和食店で1年ほど働いた後、和食の修業中から菓子づくりに興味を感じていた菅野氏は分野を変え、数年のあいだカフェでお菓子づくりの仕事に従事する。やがて、20代の半ばになった菅野氏にロンドンの日本料理店で働く仕事が舞い込んだ。渡欧しロンドンで働きながら、休暇のたびに欧州各地を巡ってヨーロッパ文化に触れるうちに、今では食の世界で知らぬ者のないエルブリが有名になりつつあったスペインに興味を持つようになる。菅野氏は、ひとりスペインへと向かった。仕事を探すにも、まず言葉が通じなければならない。そう考えて、まず通い始めた語学学校で、たまたま隣り合わせになったオーストラリア人が、現在のパパブブレ本店のオーナーだったのである。当時は、パパブブレの本店自体もまだ開業前。単なる異国での友人でしかなかった彼から、ある日「店を開いたので遊びに来い」と誘われた菅野氏は、その店をひと目見て「トンカチで殴られたようなショックを受けた」そうだ。「商品、デザイン、ビジネスのすべてが新しく、驚きの連続でした」「この店を日本でオープンさせたい!」そう思った菅野氏は、1年がかりで日本での出店についてオーナーを説得する。さらにパパブブレ本店で2年近く厳しい修業を積んだのち、日本に帰国したのである。

<職人の育成が成長への課題>

帰国し、約1年間の準備期間を経た昨年の6月末、菅野氏は現在のパパブブレ2号店(3号店はアムステルダム)をオープンした。夏のあいだ3ヶ月ほどはヒマだった店が、にわかにあわただしくなったのは、日経新聞や「沿線紹介」のテレビ番組などで採り上げられてからのことだ。「いま、商売は順調すぎるぐらいです」と語る菅野氏。予想以上に繁盛し、当初計画していた事業展開のスケジュールがこなしきれないほどだという。毎日、1回8キロほどの砂糖を使って、約7回キャンディをつくる。店頭で売れるだけではなく、ギフトや結婚式の引き出物など、大口の予約注文が多い。女性客が7割近く。取材時にも1万円以上のキャンディを買っていく女性客を見かけた。ファッション業界など、大手有名ブランドからのノベルティ品としての引き合いも多く、卸売りの依頼は全国から殺到しているが対応できず、現在はディーン&デルーカに卸すのみだ。今後の課題は、まず生産力の増強である。パパブブレの噂を聞いて、キャンディ職人になりたいという女性からの問い合わせが多いが、キャンディづくりは150℃を超える高温のアメを扱う作業、ひとつ間違えば大火傷をしかねない危険な仕事だ。実際、キャンディづくりを行っている若い男性スタッフの手にも火傷の痕が残っていた。近い将来には2号店の出店も計画している。「生産力を上げるためには、キャンディ職人の育成が必須なんです」と語る菅野氏だが、その表情は明るい。このビジネスの将来性を信じる笑顔だ。「面白い?」学校帰りに立ち寄って、一心不乱にキャンデイづくりを見つめる小学生に訊いた。「面白いよ。僕も飴をつくる人になりたい!」


会社名 : 有限会社カンノ
店舗名 : Papabubble(パパブブレ)
所在地 : 東京都中野区新井1-15-13
T E L : 03-5343-1286
H  P : http://www.papabubble.com

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